小中教科書に見る、人が社会の「役に立つ/立たない」の二分法(2) ★初収録

    「メディアウオッチ100」785号(2016年8月10日 水曜日)      月水金発行、会員制有料メールマガジン 【ウオッチ】  ここでの関心は、江戸時代の被差別身分を「社会を支えた」という一点でプラスに評価しようとすることの是非だ。かつて被差別身分についての教科書記述はマイナスイメージで塗り固めたものだった。一例を挙げれば、 『小学社会 6年上』大阪書籍 昭和60…

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小中教科書に見る、人が社会の「役に立つ/立たない」の二分法(1) ★初収録

    「メディアウオッチ100」785号(2016年8月10日 水曜日)      月水金発行、会員制有料メールマガジン 【ウオッチ】  以下は、小中学校教科書の記述だ。今から17年前、1999年6月発行の季刊誌『ウィンズ・風』19号(福岡県同和教育研究協議会発行【名称は当時】)に執筆した「プラスイメージという落とし穴に落ちないために―ダブルスタンダードのすすめ」の一節。同誌連載…

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北京発共同電は「女房役」と報じたが…… ★初収録

    「メディアウオッチ100」241号(2012年10月1日 月曜日)      月水金発行、会員制有料メールマガジン 【ニュースチェック】  9月2日の西日本新聞朝刊は「胡主席派が習氏女房役 中国共産党人事」という見出しの記事を載せた。この「女房役」が気になった。  本文では「党本部事務を取り仕切るポストで総書記の女房役に当たる中央弁公庁主任」と書く。女房役と言えばそれ…

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期待と不安が交じる、NHK正月時代劇「風雲児たち~蘭学革命篇」 ★初収録

    「メディアウオッチ100」981号(2017年12月27日 水曜日)      月水金発行、会員制有料メールマガジン 【かるちゃーひろば】  黙ってテレビの前に座ればいいものを、ひとこと言わねば気が済まぬタチだ。  書店でムック『蘭学事始ぴあ 時代を駆けた風雲児たち』が目に止まった。蘭学とあらば何はともあれ手に取る。蘭学も私の守備範囲のひとつだ。  全く知らなか…

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熊本の大地震、その時私は…… ★初収録

    「メディアウオッチ100」738号(2016年4月15日 金曜日)      月水金発行、会員制有料メールマガジン 【ウオッチ】  「緊急地震速報は、情報を見聞きしてから地震の強い揺れが来るまでの時間が数秒から数十秒しかありません。 その短い間に身を守るための行動を取る必要があります。」  気象庁のHPである。「しかありません」だ。……ところが私は「なかなか来ないな」…

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『昭和天皇実録』に見る、大正天皇即位礼と皇太子参列問題(2) ★初収録

    「メディアウオッチ100」1168号(2019年5月1日 水曜日)      月水金発行、会員制有料メールマガジン 【かるちゃーひろば】  明治 45 年(1912)7 月 29 日明治天皇崩御、翌 30 日皇太子嘉仁親王が践祚し(大正天皇)、また裕仁親王(後の昭和天皇)が皇太子となった。京都で大正天皇の即位礼が行われたのが大正 4 年(1915)11 月 10 日である。…

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『昭和天皇実録』に見る、大正天皇即位礼と皇太子参列問題(1) ★初収録

    「メディアウオッチ100」1168号(2019年5月1日 水曜日)      月水金発行、会員制有料メールマガジン 【かるちゃーひろば】  東京書籍による『昭和天皇実録』全 18 冊の刊行は、2015 年 3 月の第 1・第 2 に始まり、2018 年 3 月の第 16・第 17・第 18 の 3 冊同時刊行で終わった。昭和天皇の誕生から崩御まで、明治 34 年(1901)…

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中島利一郎と「光文」事件――令和フィーバーの陰で思う(2) ★初収録

    「メディアウオッチ100」1165号(2019年4月22日 月曜日)      月水金発行、会員制有料メールマガジン 【かるちゃーひろば】  中島利一郎(1884-1959)は昭和改元時における東京日日新聞の元号誤報、いわゆる「光文事件」のいっぽうの当事者とされる人物。『サンデー毎日』昭和32年2月15日号〈特集・書かれざる特種〉に中島へのインタビューが載っている。大正天皇…

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中島利一郎と「光文」事件――令和フィーバーの陰で思う(1) ★初収録

    「メディアウオッチ100」1165号(2019年4月22日 月曜日)      月水金発行、会員制有料メールマガジン 【かるちゃーひろば】  <このたび、『万葉集』のような国書に拠(よ)らせられたのは…感激に堪えざる次第である。>  初めて国書『万葉集』に依拠したとなると、現代の話かと見まがうばかり。実は中島利一郎『東洋言語学の建設』(1941年、古今書院)の「貴子内…

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5月刊行の第三部で玄洋社がでてくるのか ★初収録

    「メディアウオッチ100」874号(2017年3月31日 金曜日)      月水金発行、会員制有料メールマガジン 【一冊の本】     5月刊行の第三部で玄洋社がでてくるのか     ――『謀略の都』『灰色の密命』(ロバート・ゴダード著 講談社文庫)――  “マックスがパリではじめた探求は、その生誕の地、日本へと舞台を移し、三十年前に端を発する秘密の真相がついに明…

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『週刊朝日』掲載「永井荷風先生略伝」に思う(2) ★初収録

    「メディアウオッチ100」767号(2016年6月27日 月曜日)      月水金発行、会員制有料メールマガジン  字(文人が名乗ることが多い)と号は必ず音読みなので、原文にはないものの、「〈か〉げん」と読むのは妥当と言える。荷風の名の由来はいくつかの説があるようだが、父の名の一部「禾」と荷がどこかで通じ合っているのかもしれない。  ついでに岩波書店・29巻本『荷風全集』…

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『週刊朝日』掲載「永井荷風先生略伝」に思う(1) ★初収録

    「メディアウオッチ100」767号(2016年6月27日 月曜日)      月水金発行、会員制有料メールマガジン  たまたま病院の待合室で手に取った『週刊朝日』4月8日号の記事が気になった。高橋睦郎氏の連載「週間うたごよみ」の第102回「遊民散歩者の自画像」、その冒頭に引用された「永(なが)井(ゐ)荷(か)風(ふう)先(せん)生(せい)略(りやく)伝(でん)」(抜粋)だ。高橋氏…

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顔の見える部落史―イッシー閑読閑語・事始め―★再掲載

2004年9月18日22:21  福岡県同教(=福岡県人権・同和教育研究協議会)の季刊誌『ウインズ』に4年間、16回にわたって「部落史再入門」を連載した。これは、〈部落史再入門〉   上巻 『鳥の目と虫の目で見る部落史』   下巻 『身分が見える、身分がわかる』 の2冊にまとめることができた(いずれも2003年6月18日刊)。 引き続き連載したのが「顔の見え…

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山名正二著 『日露戦争秘史 満洲義軍』(35)  ◆再掲載

    ◆『日露戦争秘史 満洲義軍』の翻刻(=再掲載)をいったん中断します。    ……………… ※ 過去に本ブログに投稿した分を再掲載。 第35回は2005-11-27 21:42に掲載。 日露戦争秘史 満 洲 義 軍 山名正二 著 昭和17年9月20日 月刊満洲社東京出版部発行   〔二〕 義軍の編制  義軍の兵卒が団練兵勇及び馬賊出身者より成ること、…

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山名正二著 『日露戦争秘史 満洲義軍』(34)-2  ◆再掲載

※ 過去に本ブログに投稿した分を再掲載。 第34回は2005-11-13 18:30に掲載。 日露戦争秘史 満 洲 義 軍 山名正二 著 昭和17年9月20日 月刊満洲社東京出版部発行   第十章 勇将強兵   〔一〕 義軍の日本人 続き  五十四名のうち解散式までに病気・負傷・願に依って職を退いたものが九名、戦死(捕虜)は植村中尉が一名である。結局、解散式まで…

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山名正二著 『日露戦争秘史 満洲義軍』(34)-1  ◆再掲載

※ 過去に本ブログに投稿した分を再掲載。 第34回は2005-11-13 18:30に掲載。 日露戦争秘史 満 洲 義 軍 山名正二 著 昭和17年9月20日 月刊満洲社東京出版部発行   第十章 勇将強兵   〔一〕 義軍の日本人  義軍総統本部は三十八年三月まで堿廠にあった。奉天戦後一時新兵堡(興京)に移り、次いで五月通化へ移り、その後三十八年…

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山名正二著 『日露戦争秘史 満洲義軍』(33)-3  ◆再掲載

※ 過去に本ブログに投稿した分を再掲載。 第33回は2005-10-29 19:40に掲載。 日露戦争秘史 満 洲 義 軍 山名正二 著 昭和17年9月20日 月刊満洲社東京出版部発行   〔五〕 敵堿廠に逆襲し来る 続き  敵の後衛はなお平嶺子附近に止っていたので、翌日払暁、義軍は歩兵中隊と協力して間道を廻ってその側背を襲い、これを平頂山方面へ追い払っ…

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山名正二著 『日露戦争秘史 満洲義軍』(33)-2  ◆再掲載

※ 過去に本ブログに投稿した分を再掲載。 第33回は2005-10-29 19:40に掲載。 日露戦争秘史 満 洲 義 軍 山名正二 著 昭和17年9月20日 月刊満洲社東京出版部発行   〔五〕 敵堿廠に逆襲し来る 続き  ところが鈴木大隊はどう考えたのか大行李を続々と後方に移しはじめ、堿廠を棄てて後退する気配を見せている。これは…

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山名正二著 『日露戦争秘史 満洲義軍』(33)-1  ◆再掲載

※ 過去に本ブログに投稿した分を再掲載。 第33回は2005-10-29 19:40に掲載。 日露戦争秘史 満 洲 義 軍 山名正二 著 昭和17年9月20日 月刊満洲社東京出版部発行   〔五〕 敵堿廠に逆襲し来る  第三軍が旅順を攻めはじめたのが七月二十六日であった。第一軍が敵を様子嶺及楡樹林方面から撃退したのが八月一日、また同日には第二軍が柝木城に…

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山名正二著 『日露戦争秘史 満洲義軍』(32)  ◆再掲載

※ 過去に本ブログに投稿した分を再掲載。 第32回は2005-10-27 12:50に掲載。 日露戦争秘史 満 洲 義 軍 山名正二 著 昭和17年9月20日 月刊満洲社東京出版部発行   〔四〕 隊旗及契盟証授与式  義軍は左翼第一隊より第四隊までと、右翼第一隊の計五個隊が出来た。そこで七月三十日、堿廠西端関帝廟前に於いて隊旗及び契盟証授与式を挙行する…

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山名正二著 『日露戦争秘史 満洲義軍』(31)-2  ◆再掲載

※ 過去に本ブログに投稿した分を再掲載。 第31回は2005-10-08 21:41に掲載。 日露戦争秘史 満 洲 義 軍 山名正二 著 昭和17年9月20日 月刊満洲社東京出版部発行   〔三〕 福島熊次郎、楊二虎を投げる 続き  この事件以後清国人は日本人の武勇を恐れた。流石の楊二虎さえ福島には頭が上がらず、その柔道に感服したばかりでなく、福島の豪快洒脱な気性に…

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山名正二著 『日露戦争秘史 満洲義軍』(31)-1  ◆再掲載

※ 過去に本ブログに投稿した分を再掲載。 第31回は2005-10-08 21:41に掲載。 日露戦争秘史 満 洲 義 軍 山名正二 著 昭和17年9月20日 月刊満洲社東京出版部発行   〔三〕 福島熊次郎、楊二虎を投げる  楊二虎ヤンアルホは今の安奉線一帯にかけて泣く子もだまると恐れられた兇暴無類の馬賊の親分である。鶴岡が連れて来た日に花田少佐が楊に人倫の道を教え…

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山名正二著 『日露戦争秘史 満洲義軍』(30)-2  ◆再掲載

※ 過去に本ブログに投稿した分を再掲載。 第30回は2005-10-07 20:28に掲載。 日露戦争秘史 満 洲 義 軍 山名正二 著 昭和17年9月20日 月刊満洲社東京出版部発行   〔二〕 馬賊頭目楊二虎ヤンアルホ 続き  翌早朝、中隊長に厚く礼を述べて、若い少尉の指揮する将校斥候と共に出発した。ひどい濃霧の朝であった。其の中を半里程来ると、果たして敵が現れて…

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山名正二著 『日露戦争秘史 満洲義軍』(30)-1  ◆再掲載

※ 過去に本ブログに投稿した分を再掲載。 第30回は2005-10-07 20:28に掲載。 日露戦争秘史 満 洲 義 軍 山名正二 著 昭和17年9月20日 月刊満洲社東京出版部発行   〔二〕 馬賊頭目楊二虎ヤンアルホ  当時南坆なんふんに楊二虎ヤンアルホという馬賊頭目がいた。彼は音に聞こえた大親分で、数百名の部下を有し、威令あたりを払う獰猛凶悪な男…

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山名正二著 『日露戦争秘史 満洲義軍』(29)-4  ◆再掲載

※ 過去に本ブログに投稿した分を再掲載。 第29回は2005-10-03 00:14に掲載。 日露戦争秘史 満 洲 義 軍 山名正二 著 昭和17年9月20日 月刊満洲社東京出版部発行   〔一〕 義軍の興廃を賭す 続き  堿廠は靉陽辺門を北に去る十里の位置にある。山峡を流れ出た太子河が小さな盆地をつくった所に発達した一小都会である。当時、戸数一千・人口…

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山名正二著 『日露戦争秘史 満洲義軍』(29)-3  ◆再掲載

※ 過去に本ブログに投稿した分を再掲載。 第29回は2005-10-03 00:14に掲載。 日露戦争秘史 満 洲 義 軍 山名正二 著 昭和17年9月20日 月刊満洲社東京出版部発行   〔一〕 義軍の興廃を賭す 続き  かくて義軍は決然として進軍して、堿廠の西南方約千米の一高地(その形からして義軍が饅頭山と名づけた)を占領した。折りしも敵騎四―五百が…

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山名正二著 『日露戦争秘史 満洲義軍』(29)-2  ◆再掲載

※ 過去に本ブログに投稿した分を再掲載。 第29回は2005-10-03 00:14に掲載。 日露戦争秘史 満 洲 義 軍 山名正二 著 昭和17年9月20日 月刊満洲社東京出版部発行   〔一〕 義軍の興廃を賭す 続き  その頃、日本軍はまだ満洲義軍を問題にしては呉れず、むしろ手足纏いに思って居った。花田何するものぞという調子であった。尤もこれは義軍編成の当初で義軍…

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山名正二著 『日露戦争秘史 満洲義軍』(29)-1  ◆再掲載

※ 過去に本ブログに投稿した分を再掲載。 第29回は2005-10-03 00:14に掲載。 日露戦争秘史 満 洲 義 軍 山名正二 著 昭和17年9月20日 月刊満洲社東京出版部発行   第九章 堿廠占領   〔一〕 義軍の興廃を賭す  義軍には追々に兵隊が集まって来たが、更に兵隊を集めて軍を拡大強化するには、まずその武勇を示して清国人を信ぜしめ…

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山名正二著 『日露戦争秘史 満洲義軍』(28)-2  ◆再掲載

※ 過去に本ブログに投稿した分を再掲載。 第28回は2005-10-01 20:11に掲載。 日露戦争秘史 満 洲 義 軍 山名正二 著 昭和17年9月20日 月刊満洲社東京出版部発行   〔四〕 スナイドル銃  義軍の鉄砲はスナイドル銃である。清国人はこれを天門槍テンメンチャンという。これはフランスのシュナイドル会社の製作で、西南戦争の時に官軍が用いた鉄砲である。そ…

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山名正二著 『日露戦争秘史 満洲義軍』(28)-1  ◆再掲載

※ 過去に本ブログに投稿した分を再掲載。 第28回は2005-10-01 20:11に掲載。 日露戦争秘史 満 洲 義 軍 山名正二 著 昭和17年9月20日 月刊満洲社東京出版部発行     檄 告 続き  嘗て其の志を観るに、豈あに徒ただに路政を整え商務を開き以て交々こもごも内外を利するに在らんや。抑々そもそも将まさに中国を鯨呑し、華民を魚肉にして其の先世の遺謀を…

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